【社会】ゴミ分別の異常な世界/杉本裕明・服部美佐子
2011年6冊目
【要約】
ゴミは分別する方が、ゴミの量も減るし、エコになるというゴミ分別至上主義に一石を投じた本。
本書では、1975年静岡県沼津市が「混ぜればゴミ、分ければ資源」というスローガンから始まったゴミ分別に対して、数種類の問題があるという。
具体的には、
①分別が細かすぎて、住民がイヤになり、資源ゴミなどを可燃ごみとして捨ててしまう。
②分別が細かすぎることにより、分別、収集、焼却のコストが膨大になる。
③焼却場過多による、焼却施設一基あたりの焼却量が減り、燃やすために、都市ガスを加えてもやしている。
などなど。
本の構成としては、上記のような例を日本各地の自治体を例にとり、問題点を指摘している。
しかし、問題を指摘しっぱなしで、なんら改善策などが書かれていなく、ただの指摘だけに終わっており、議論になっていない。終始こんな論調だし、問題点を網羅的に挙げているだけなので、結局何がいいたいかよくわからない。
まぁ、ゴミ処理の実態がしれる内容となっており、ゴミに関する知識をつけるためには一読してもいいかなという本。
【総合評価】
★★☆☆☆
【一言メモ】
・容器包装リサイクル法
⇒1995年に制定された法律で、容器包装プラスチックを収集・保管するのは市の役割だが、その後のリサイクルは、飲料メーカーなど容器を利用する事業者のお金で行うことになっている。
・RDF(Refuse Derived Fuel)ゴミ固形燃料
⇒生ゴミやプラスチック容器などの家庭ごみに、熱を加えて固めたもので、それを燃料にして発電に使う。
・一般廃棄物
⇒「家庭ごみ」と「事業系ごみ」を合わせた総称で、年間約5000万トンほど排出している。