【仕事術】象の鼻としっぽ/細谷功
¥1,680
2011年13冊目
【要約】
象の鼻としっぽ?
絵本?何の本ですか?
といった感想を持たれるかもしれないが、これはれっきとしたビジネス書。
著者は細谷功氏。
「地頭力を鍛える」で少し前に有名になったビジネスコンサルタントです。
といっても、その本は読んだことがないのですが(汗)本書は少し面白そうだと思ったので、購入。
この本は、コミュニケーションに関する本である。
仕事を含め、私生活で相手とコミュニケーションにギャップを感じることはみなさん多いと思います。
本書では、コミュニケーションで相手と摺れ違う原因は
①人はみな自分中心
②伝わっているという幻想
③象の鼻としっぽ
の3つの原因があると言っています。
それらコミュニケーションのギャップを「象の鼻としっぽ」でたとえ話として紹介しています。
会話の対象を象とすると、Aさんは象の鼻の部分しかみていない、Bさんはしっぽの部分しかみていないといった感じで、人は会話の中で、同じ対象を話しているつもりが、実はズレていて、しかもそのズレていることに気づいていないといいます。
①人はみな自分中心
人間は悲しいかな、どんなにがんばっても自分の考えが中心になっています。そのため、コミュニケーションにおいて、自分の都合のいいように解釈してしまう傾向があると。
例えば、社会人になってから、高校の同級生と久々に会って、仕事の話をする時、多くの人は、自分の仕事はいかに忙しいか自慢をすることがあると思います。他の人の話を聞きながらも、なんだかんだで自分が忙しいという主張が続きます。こんなことありませんか?
他にも「自分がお金を貸したことはずっと覚えているが、お金を借りた時はすぐに忘れる」など自分主観になってしまうことが多いです。
②伝わっているという幻想
人に何かを言った時、自分は「相手は理解した」と認識するはずですが、そんなことはないと著者。
相手が自分の言ったことにどこまで理解したかを示すレベルとして著者は
うなづく→「わかりました」と返事する→こちらの言ったことを繰り返す→こちらの言った意図を別の言葉で表現できる→こちらの言った意図が行動で表現されている→変わった行動が習慣化されている
とレベル分けしている。みなさんはどのレベルで相手は納得したと判断しているでしょうか?
また、相手が理解していないからと言って相手は無能だと考えるのもやめましょうと。
そういう時は、自分の説明がわるかったのではと疑うべきだと。
まさしく、自分は象のしっぽの部分しか話しができていないのではないかと。
③象の鼻としっぽ
このタイトルの核である部分。
会話中で相手とのギャップをどこまで埋められるかを考えるならば、象のどの部分を見ているか、また相手はどんなフィルター(色眼鏡)を通して見ているか、相手はどれくらい幅広い視野でみているかなどを理解することが大事。
内容がぎっしり入りすぎてて、うまく説明できなくてすいません。本書を読んでください。
本書では最後にコミュニケーションのズレを減らす心構えとしては、
「自分は全体を見ずに、部分しかみていないのではないかと常に考え、相手に伝わる工夫をしていかなければならない」としめしています。
この本は、象を例えとして、繰り返しコミュニケーションギャップを説明している。
しかも、自分が気づかなかった部分が多く、これから意識しなければいけないことを再確認する必要があるなぁと思ったほんです。
【フィードバック】
■話のはじめに全体像を共有する
→話が長いなぁと感じさせる人の共通点は、全体像を話さず、部分部分ばかり話していつ終わる話かわからないから」
■専門外の素人と話すには、一度思い切り引いて、全体像を俯瞰し、そもそも自分の専門領域とはどういう位置付けのものなのか、そこを改めて認識して話す
■「白地図」を使って説明する。
→自分の家を白紙で説明するときは、最寄駅やコンビニ、学校などを書いて説明するはず。自分の家の近くだけ説明するのではないはず。会話でも、部分だけ話さないように心がける。
【総合評価】
★★★★★
【一言メモ】
イギリスの哲学者フランシス・ベーコンの「四つのイドラ」
「イドラ」とはラテン語で「偶像」
①種族のイドラ・・感覚における錯覚であり、人類一般に共通してある誤り
②洞窟のイドラ・・狭い洞窟の中から世界を見ているかのように、個人の性癖、習慣、教育によって生じる誤り
③市場のイドラ・・言葉が思考に及ぼす影響から生じる偏見。言葉や言語が引き起こす偏見
④劇場のイドラ・・思想家たちの思想や学説によって生じる誤り。思想家たちの舞台の上のドラマに眩惑され、事実を見誤ってしまうこと。
今回は長くなってしまいました。最後までご覧くださり、ありがとうございました。