【歴史】司馬史観と太平洋戦争/潮匡人
¥735
2011年21冊目
【要約】
おもに、太平洋戦争や靖国参拝に関する「歴史認識」に関する批評本。
日清・日露戦争を美化し、太平洋戦争を代表とする昭和の戦争を断罪する「司馬遼太郎」氏の解釈が、我々に強く与えた影響は計り知れない。
しかし、その歴史認識はそうなのか?日清・日露戦争は、勝ったから、太平洋戦争は負けただからではないのか?筆者はこう主張する。
論調としては、司馬氏をはじめとする「日清・日露を善玉、太平洋戦争を悪玉」という評論家の主張を否定する形をとっている。
基本的に、私は否定ばっかりする論調の本は好きではないです。また、否定するのはいいとしても、それに対する建設的な意見・主張がないのは読んでていい気はしません。
歴史認識に対して、何か意見を持てるほど現在知識を持て合してはいませんので、今回はこの本に書いている主張を以下にまとめます。
■日清戦争の引き金になった「豊島沖海戦」は清国側からの砲撃に対して「自衛」の応戦となったとの歴史認識がメジャーだが、これは捏造で日本側からの砲撃であったとする。
⇒この本でそう主張するが、論拠は非常に弱い印象であった。
■読売新聞の渡邉主筆(ナベツネ)は東條英機をヒトラーと同じ独裁者とするが、当時の東條英機は「海軍統帥には一手をも染め得ぬ」というそれほど権限はなかったとする
■大東亜戦争にも勝機はあった
などなどですが、今の私にはレベルが高過ぎて理解できない部分が多々ありました。勉強して出直します。
【総合評価】
★★★☆☆
【一言メモ】
「右派の論調の特徴は、まず、自己中心的であることだ。(中略)異論を一切認めず、異論を唱える人物を徹底的に否定する。そこには、自分たちとは異なる主張を冷静に分析し、認めるべき所は認めるというような建設的で理性的な姿勢は見られない。さらに、論理より感情を重視し、扇情的な見出しを付け読者を煽ろうという姿勢がはっきりしている」
⇒これは逆も然りと著者は言う。まさに、本書の著者の論調はこんな感じです。