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【生活】知的余生の方法/渡部昇一

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知的余生の方法 (新潮新書)/渡部 昇一

¥756

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2011年40冊目

【要約】

あの歴史的名著「知的生活の方法」から34年。

今度は「余生」にフォーカスをあてて、渡部氏なりの切り口で充実した老後の送り方が書かれている。

とまぁ、老後の送り方など、今の私にはまだまだ関係ないですが、この本には、老後を楽しく幸せに送るために、今すべきことを述べており、「生き方」そのものを考えさせられる内容でした。

「知的余生」とは、年齢を重ねても頭脳を明晰化し、独自の発想にあふれた後半生のこととしている。

本書での、一番核になるフレーズは以下に示す儒学者佐藤一斎の「言志晩録」の言葉ではないだろうか。

少ニシテ学ベバ、則チ壮ニシテ為スアリ

壮ニシテ学ベバ、則チ老イテ衰ヘズ

老イテ学ベバ、則チ死シテ朽チズ

つまり、「若い時に学ぶと、壮年(働きざかりの年齢)になってから仕事ができる。壮年に学ぶと、老後も衰えない。老後に学ぶと死んでも朽ちない」といった内容である。

二行目が個人的には一番大事なところだと思いますが、知的余生には、働き盛りの頃から学ぶことが大事だと言っています。これは何も仕事をがんばるということではなく、なにか他に興味があることをどんどんしていきましょうということ。逆に言うと、定年退職後に趣味を作ろうと思ってもすぐにはできないと言っています。これを筆者は「内発的興味」と言っています。

定年退職をチャンスだと考え、その抑えてきたものを復活させてやればいい。やりたいことを、思おう存分やればいい。楽しくて仕方がないことならば、犯罪行為でなければ何でもかまわない。楽しければ、知的な興味もどんどん湧いてくる。それこそが「知的余生」なのである。(P.45)

著者は「知的余生」のために読書は欠かせないと言っていますが、その始めの本として次の2冊を挙げています。

パンセ (中公文庫)/パスカル

¥1,150

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人間 この未知なるもの (知的生きかた文庫)/アレキシス カレル

¥820

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この2冊は単なるちゃちな人生修養書ではなく、死へと至る人生を洞察できる書だという。

「芋づる式読書」として、いずれ読みたいと思います。

この本全体としては、80歳を迎えた著者が豊富な人生経験をもとに書かれた老後の送り方の本ではあるが、人生そのものに対して勉強になりました。

少々、辛辣な表現もありますが、嫌味がなく説得力のある論調でタメになりました。

【総合評価】

★★★★★

【一言メモ】

エージシュート

ゴルフで1ラウンドのスコアが自分の年齢と同じか、それ以下で回ること。