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【仕事術】理系の企画力!

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理系の企画力!-ヒット商品は「現場感覚」から (祥伝社新書167)/宮永 博史

¥798

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2011年55冊目

【要約】

研究開発職なんで、こんなタイトルの本はとても気になります。

技術者はただひたすら最先端の技術だけを追求すればいいのでしょうか?

それだけではダメです。と言ってるのが、この本。

任天堂やアップルの成功からもわかるように、技術と同じ、もしくはそれ以上に「商品企画力」に重きを置くことが重要です。

商品企画力とは何でしょうか?

すなわち、小型化、軽量化、高機能化した製品が無条件に売れるのではなく、消費者が必要としている機能を有している製品、消費者でさえも気付かなかったユニークな商品、これらのニーズを発掘し、テーマとする能力みたいなものでしょうか。

私は、まだ若手でペーペーなんで、企画するような仕事ではないですが、このような能力は少しずつ培っていかなければならないと思います。

この本では、筆者がここ最近での製品の成功事例を9つの法則に分け、どのような企画力が必要かを紹介しています。

第一則

現場を観察するだけでなく、実際に体験する

パナソニックの遠心力洗濯機を例に、ただひたすら実験室で考えるだけなく、消費者がどのように使うのか、どこに改良点があるのか、体験を重ねることで、真実をつかむというもの。

第二則

一面からのモノの見方にこだわらない

よく知られている話で、靴の営業が2人いたとして、新規開拓で僻地へ行った時、誰も靴を履いていないのを見て、「靴を履かない文化で商売にならない!」と帰ってくるのか、「誰も履いてないなんて、なんて有望な市場だ!」と考えるか、と多面的な考えが重要というお話でTOTOのアメリカ市場参入の成功話を例に挙げている。

第三則

使う人が求める究極の我儘こそ、発想基準

日本の定期券ほど個人にカスタマイズされたものはない(何駅から何駅まで、何日から何日までと個人レベルで決まっている)

このように、一人ひとりの我儘をかなえてくれる商品はこれからの標準になると。

第四則

はじめにコンセプトありき

第五則

優れた技術は感動を生み出す

第六則

最初から二兎を追う

「安かろう悪かろう」と決めつけていませんか?

世の中は高いモノはそれだけの性能がよい、安いモノはそれだけ性能が悪いのが多いですが、

安いのに性能がいいものがあれば、リピートで購入してもらえ、その分売上が高くなるという例として、ユニクロヒートテックの成功例を挙げています。

第七則

異なる分野の技術を結集する

第八則

技術はわかりやすく翻訳する

第九則

商品はロングセラーを前提に考える

「企画力」

わたしには、いますぐ必要な能力ではないかもしれませんが、過去の成功例からどういった思考が必要かを学ぶにはいい本だと思います。「理系の企画力」とはなっていますが、理系だけでなく文系の方にも勉強になる本だと思います。

【総合評価】

★★★★☆