そこに本があるから

なんで本を読むかって?そこに本があるからさ

【読書術】ニッポンの書評/豊﨑由美

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2011年59冊目

【要約】

わたくしのブログは、「書評ハジメマシタ」なんてタイトルですが、書評なんてレベルのもんじゃないですよね。

世間一般的には、読書感想文とした方がいいかもしれません。

 

でも、それはそれでいいんと思います。

 

わたくしのブログは、書評、感想文を書くことが大目的ではなく、数多くの興味ある本を読んで、それを自分の中でまとめて、自分の中に吸収することが目的です。自己満足と言われれば、そうかもしれません。

いうなれば、備忘録のようなものです。

 

 

「書評」とは何ぞや?ってことを改めて役割や成り立ちが考えなおされた本です。

 

著者の主張を引用しながら、考察してみます。

 

(書評と)批評との違い

批評は、対象作品を読んだ後に読むもので、書評は読む前に読むものだということです。(P.12)

書評とは、その本を読んだことがない人に興味を与え、読んでみようという後押しをすることができるものでしょうか。

その分、内容のネタばれ(核心)を書き過ぎるのはよくないと言います。

 

(著者の書評観)

・粗筋紹介も"評"のうち。極端な話、粗筋と引用だけで成り立っている書評があってもいい。

・対象作品の面白さ(もしくはダメさ加減)が伝わる、読んで面白い芸のある内容になっているなら、粗筋紹介がまったくない書評であってもかまわない(P.38)

書評には正しいものはなく、面白く伝わるものがあればいいと言います。

 

 

 

特に、素人の「書評ブログ」を書いているような私に辛辣な言葉を投げかけているのが、第10講です。

第10項

プロの書評と感想文の違い

 

・プロの書評には「背景」個々の本が持っているさまざまな要素を他の本の要素と関連づけ、いわば本の星座のようなものを作り上げる力。それがあるかないかが、書評と感想文の差を決定づける。(P.108)

 

・匿名のブログやAmazonのカスタマーレビュー欄で、なぜ他人様が一生懸命書いた作品をけなす必要があるのでしょうか。卑怯ですよ。他人を批判する時は自分の本当の顔、どころか腹の中まで見せるべきでありましょう。(中略)批判は返り血を浴びる覚悟があって初めて成立するんです。(P.115)

 

・匿名の書評ブログを開設している方は、今後は愛情をもって紹介できることだけをお書きになってはいかがでしょうか(P.117)

 

私のような「読書感想文」ブログを書いている方はどう感じるでしょうか?

 

私もブログの中で、たまに辛辣な表現をすることがあります。

結局のところ、私は「表現の自由」だと思いますが、過剰な表現は確かに控えるべきだとも思います。

 

誰でも書評を書ける時代だからこそ、プロの書評家からすると、素人のレベルの低さ、浅はかさが目に着くのかもしれまんせん。

 

著者の考えに賛成はできませんが、「書評」というものを考えさせられる一冊でした。

著者からすると、私のブログは卑怯なんでしょうね・・・。