【自伝】放浪ニートが、340億社長になった!/中村繁夫
2011年3冊目
【要約】
学生時代にブラジルを中心とした世界35カ国を海外放浪し、商社に入社してからも放浪をつづけ、最終的に起業し、340億円を儲ける社長になった話。
ニートとはいうが、俗にいうニートとは全く違う。海外放浪で身に付けた民族性の違いからくる「交渉力」を武器に、人一倍の行動力と経験を生かし、レアメタル(希少金属)の世界で活躍していく。
とにかく行動が大事ということを勉強させられる。
本書で特に印象に残ったのは、世界最強交渉人「ソグド人」
ソグド人とは、古くはアレクサンダー大王が「世の中でもっともずるい商人」と記録しているほどの民族だが、知っている人はほとんどいないだろう。他にも三蔵法師がソグド族は最も商売がうまくて狡猾、中国人は歯が立たない」と言っている。特におもしろいのは「胡散臭い」の「胡」とはソグド人のことをいうらしい。
アマゾンでも★5つの高評価があるだけあって、学ぶことも多く、面白い。
【フィードバック】
■運命は、自分で変えることができる。
⇒宿命は自分では変えられないが運命は変えることができる。しかし、自分が決心しなけらば、運命は変わらない。
■ソグド人の交渉術「どうでもよい条件はすべて妥協し、最も重要な条件だけは一切妥協しない」
⇒交渉の際に妥協を多くしてもらうと、こちらも妥協してあげた方がいいと心理的には思うはずで、一番重要な事柄をそこにもっていく狡猾な方法。交渉はあまりしないが、そういう方法はありだなー。
■同じタイプの人間が群れるような組織にしてはならない
⇒似た者同士は慣れ合いになり、ひがみ合うことが多く、衰退するのは早い。
■心が折れそうになったら、さっさと自分から折る。
⇒一番悪いのは、心が折れそうになってグズグスして、悪い環境の中で悩み、自分を責め、相手を責め、ズルズルと解決案から遠ざかってしまうこと。さっさと心を折ってしまえば、自分のいいところと悪いところの見極めができる。
【総合評価】
★★★★☆
【一言メモ】
■プロとは「余人をもって代えがたい人」を指す。
⇒プロの定義を多くの人がいろいろな解釈をするが、まさにこのことだと思う。
■クレッチマーの体型別性格分析
①”肥満型”=「躁うつ型気質」・・・社交的な時と静かなときが交互に出る
②”細長型”=「分裂型気質」・・・神経質で非社交的。気付かないところと気付くところが両方
③”筋肉質型”=「粘着型気質」・・・几帳面で、何かをやると凝りだす
⇒著者はこの性格分類に分け、交渉をしているという。