【読書術】知的生活の方法/渡部昇一
【要約】
帯
「頭を活性化し、発想を楽しむ!
不朽のベストセラー!」
1976年に初版の本書。
この本は一言で言うと、「著者の読書観を披露したもの」である。
というと、ただの自己満足的な本という印象を与えてしまうが、この著者の読書量、読書に対する情熱は半端ではない。
その読書量から培われた読書観で衝撃を受けた項を挙げると、
①知的正直
②古典
③本を買う意味
があった。
①知的正直
最後に、最も大切なる訓・・・己に対して忠実なれ、さすれば夜の昼に継ぐが如く、他人に対しても忠実ならん(坪内逍遥訳「ハムレット」第一幕第三場より)
知的正直というのは簡単に言えばわからないのにわかったふりはしない(P.13)
よくわからないのに、わかったふりをする子どもは進歩がとどまるのが、著者の持論らしい。
②古典
古典とは何か?
世の中に古典と呼ばれる本がある。これは何度も何度も読み返され、時代を経ているうちに残った本のことである。(P.65)
著者は読書に対して、自分の「古典」をもつべきだという。
「あなたは繰り返して読む本を何冊ぐらい持っているだろうか。それはどんな本だろうか。それがわかれば、あなたがどんな人かよくわかる。しかし、あなたの古典がないならば、あなたはいくら本を広く、多く読んでも私は読書家とは考えたくない(P.67)
私にはまだ「自分の古典」という本はないですね。。。
③本を買う意味
「無理をしてでも本を買い続けるということをしていない人が、知的に活発な生活をしている例はほとんど知らない」(P.78)
「家庭とか子供とか、あるいは時代を口実にするのは、結局はその人の知的生活に対する態度が本物でないのではないか」(P.89)
今回は引用がメインとなりました。
なんだか、この本をうまくまとめることができませんでしたが、この本を読むと自分の読書はまだまだだなと実感しました。時代というのもあるでしょうが、読書に対する情熱がこの本には感じられました。自分の読書観に悩みがある人は、この本を読んでガツンとされてみてください。
この本が30年以上も読み続けられているのは、古典となり始めていると言えるのではないでしょうか。
【総合評価】
★★★★☆