【ビジネス】マネー力/大前研一
【要約】
大前研一特集第3段
2009年1月発刊の本書は、サブプライムローンに端を発した金融パニックの後、新しい時代にどう生き抜くかを書いた本。本書では、特に資産運用の点から、20代などのそれほど資産もなく、大きな影響を受けなかった世代に向けている。
アメリカ発の金融パニックで世界中の人の資産はどうなったかから始まり、日本人は資産運用がいかに下手を書いており、世界に目を向けよと主張している。
面白い箇所を抜粋要約
■ハイパーインフレをものともしないブラジル人のマネー力
ブラジルは以前、年間10000%のハイパーインフレに見舞われたことがある。簡単にいえば、日本円なら10000円が1年後に1円の価値しかなくなるということである。
そんな時はどうする?
どうすればよいかはすごく単純で、給料をもらえば、すぐにそれをシティバンクなどでドルに両替するのだと。かしこいブラジル人はそれを実行し、インフレが落ち着いたころに自国通貨(当時はクルゼイロ)に両替することで、
危機を凌いだという。
普通の日本人の感覚なら、ドルに両替することさえ、思いつかないと思われる。
これからもわかるように、日本人はあまりにも資産運用に対する感覚が弱い。
日本人はもっと資産運用に対する知識、経験を増やすべきだと警鐘を鳴らした本である。
【総合評価】
★★★☆☆
【一言メモ】
■なぜ日本人は資産運用ができないか?
①かつての失敗経験
⇒バブル崩壊と「失われた十年」での資産価値の喪失という失敗から、もう失敗は繰り返したくないと臆病になったことが原因。
②超低金利への慣れ
⇒ゼロ金利が5年以上続き、慣れてしまい、数%の運用率があるという商品でさえ、いかさまではないかと疑うことによる消極性が原因。