【ビジネス】お金の流れが変わった!/大前研一
2011年8冊目
【要約】
大前研一氏の書評が多いが、とりあえず手持ちはこれが最後。
「お金の流れが変わった!」
どうかわったの?
今やお金の流れはアメリカではない!それなら中国か?いいや、今やお金の流れは新興国に向いていくだろうと大前氏。
本書の流れとしては、
一章、アメリカはどうして衰退していったのか
二章、新興国とはどのような国々なのか
三章、これからのお金の流れ方とは
四章、これから日本はどうしたらいいのか
といった感じ。
大前氏の持ち前の知識で、世界各国の情勢を綿密に分析されており、大変読みごたえがある。
そして、何よりおもしろいのは、最初の方は、日本は世界に取り残されて、どうしようもないというような論調で否定している感じがするが、最後には、日本はこうしていったら、必ず明るい未来がある!というくくりになるからだ。
では、新興国とはどのような国か?
BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)はもちろんだが、VITAMIN(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、タイとトルコ、アルゼンチンと南アフリカ、メキシコ、イランとイラク、ナイジェリア)などを言っている。
これらの国がなぜこれからのお金の流れを支配するのかについては、ひとつは、人件費が安い。二つ目は、やる気がある。今までは中国にお金が流れていたが、これらの国も力をつけて、いい仕事をしているという。
日本はこれからどうしたらいいのか?
消費税の増税でも、法人税の減税でもない。大前氏は違う本でこう主張していたが・・笑
それは、「固定資産、金融資産に1%の税金をかけること」、「相続税を一定期間撤廃すること」だ。
消費税をたとえば15%にしても、25兆円しか税収が増えない。民主党が勧めている法人税を実質40%⇒35%にしても、欧州は平均25%程度であり、外資が入ってくることはほぼない。しかし、むしろ資産に1%税金をかけるだけで、35兆円集まるし、相続税を撤廃すれば、お年寄りから若者へお金が流れ、購買意欲は上がるなどなど。
大前氏の著作はまぁまぁ読んでるが、その中でもコストパフォーマンスが一番いい本だと思う。
知識不足で、理解できないところもあるが、この本から得られる知識は多い気がする。
みなさんにもオススメだと思います。
【総合評価】
★★★★★
【一言メモ】
・BOT(Build Operate & Transfer)方式
⇒外国企業が進出先の政府から土地を借り受け、、そこに工場などの施設や設備を自己資金で建設して畝いと管理を行い、契約期間が終了しあら施設や設備ごと土地を返却するという開発方式を言う。新興国のプロジェクトでよく採用される方式である。