【社会】ソニーはなぜサムスンに抜かれたのか/菅野朋子
2011年9冊目
昨日の書評でなんとなく気になったので、先ほど本屋で購入して、即書評
【要約】
題名だけで判断して、目次を見ずに購入したのが、誤りでした。。。
この本は、別にソニーとサムスンとの比較を主題にした本ではありません。
内容は、
昨今の日韓の関係を企業、スポーツなどの分野に対して韓国人の視点から日本をどうみているかが書かれた本です。
切り口としては、韓国人が一番愛読している朝鮮日報の記事を引用し、日韓関係をオムニバス形式で紹介している。悪くいえば、大学生がホームページの情報をコピペしたものを集めて論文をかいたような本です。
全体をまとめると、韓国は90年代から「日本に学べ」という姿勢で日本に追いつけ追い越せという形で、日本の企業を追いかけてきた。その代表格としてサムスンを例にあげ、紹介している。
サムスンググループ初代会長のホアム氏は、現サムスン電子会長のイ・ゴンヒら息子3人を日本の大学に留学させたという。また、一時期はサムスングループの役員の70%異常が日本語をしゃべれたという。韓国はそのような姿勢で、日本を研究し、学ぶことで急成長を遂げた。
そして、今や日本が「韓国に学べ」というほどテレビ、携帯の市場で韓国に遅れをとっている現状だ。
これらは引用されている朝鮮日報の記事、すべてに統一されている内容であることから、韓国人の共通認識ということだろう。
しかし、記事は冷静で、韓国はまだまだ日本には追い越せていないと分析している。
どこらへんかというと、韓国は半導体、携帯分野において、内部の部品は50%以上が日本に依存しているようで、対日本の貿易収支は赤字であるということである。
このような感じで、他にバンクーバー五輪での日韓のメダル獲得の明暗や、イチローとイ・スンヨプの関係に至るなど、韓国視点からの日本の評価という点で新鮮でおもしろかった。(題名にだまされた感は否めないが・・)
【総合評価】
★★★☆☆
【一言メモ】
■2009年サムスン電子の営業利益(11兆5800億ウォン)が日本の電機メーカー(9社)の営業利益の合計額を上回った。
■サムスンは韓国の総輸出に占める比率は20%声、国内の税金全体の8~10%を払っている。また、韓国が米国に登録した特許8782件中の40%を超える3611件がサムスン電子の特許。