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【社会】すごい製造業/中沢孝夫

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すごい製造業 日本型競争力は不滅 (朝日新書 92)/中沢 孝夫

¥735
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2011年12冊目

【要約】

題名の通り、日本の製造業はまだまだ大丈夫といった論調の本書。

著者は、兵庫県立大学の教授で中小企業を中心に「現場」を渡り歩いた経験から、日本の技術の空洞化というものは杞憂だという。

簡単にまとめるとこうか。

日本は現在、団塊の世代がリタイヤしたり、少子高齢化などにより企業数が減ることで日本のモノづくりの競争力が弱っているという風潮が強い。だが、日本にはモノづくりだけでなく「人づくり」という文化があり、人を育てることに長けている。これは日本独特であり、他の国にはマネができないところであるため、まだまだ日本の製造業は安泰だ

といった感じ。

第一章で、具体的に著者は、製造業に携わる「技能工」を4段階に分けている。

①レベル1(期間工レベル)

「職場の中で1つの仕事しかできない」「なんとか作業はできるが品質不具合を検出する余裕はない」

②レベル2(若手正社員レベル)

「職場内で3~5程度の職務をこなし、しかも品質不具合の検出もできる。不良の個所、たとえば欠品の個所も見出し、直す時間がなければそこに赤紙を貼ることができる」

③レベル3(中堅層)

「職場内のほとんどの職務をこなせ、品質不具合の原因も究明できる。原因がわかれば再発も防げる。設備の不具合も面倒な問題でなければ、保全を待たず自分で処理できる」

④レベル4(海外での教え手レベル」

「新しい生産ラインを構築する準備や新しい機械を入れ、機械の配置や作業の手順も新たに工夫して決める」

日本の職場では50%以上はレベル3に達しているという。このような人材育成が必要だという。

とまぁ、第一章はよかったのだが、第二章以降はちょっとって感じでした。。。

第二章では、「日本はなぜ強いのか」と題していたが、結局なぜなの?って感じで結論が見当たりませんでした。

というよりも、日本を非難している表現の方が多かったような。

また、終章では「カタカナ語経営の危うさ」と題し、

「近年、コンプライアンスアカウンタビリティコーポレートガバナンス、といった言葉をCSRと並んで聞くことが多い。しかし、筆者は、こういうことを言い出す企業を見ていてなんとなく胡散臭さを感じる。」とかよくわからん主観を出す始末。

主張が二転三転して、何が言いたいかよくわからない本でした。

【総合評価】

★★☆☆☆

【一言メモ】

マズロー欲求五段階説

①生理的欲求

②安全への欲求

③社会的欲求(所属と愛の欲求

④尊敬・自尊の欲求(承認の欲求

自己実現欲求

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